近年の婚活市場は、マッチングアプリや結婚相談所の普及により、出会いの母数が増加しています。しかし、選択肢が増えたことで逆に「もっと良い人がいるかもしれない」という心理が働き、決定を下せない「決断疲れ」に陥る婚活者が増えています。多くの条件に合致する相手が現れても、最後の一歩が踏み出せずに交際や成婚に至らないケースが後を絶ちません。優柔不断なまま時間を浪費することは、婚活において最も避けるべきリスクです。では、どのようにして迷いを断ち切り、納得のいく決断を下せばよいのでしょうか。

 婚活における「決断力」の欠如が招く修復不能な損失
婚活において「保留」や「迷い」は現状維持ではありません。時間の経過と共に、自身の市場価値や出会いの機会は刻一刻と変化しています。ここでは、決断を先送りにすることの客観的なデメリットについて解説します。経済学における「機会費用」の概念を婚活に当てはめると、決断しないことのコストが浮き彫りになります。例えば、一人の相手に対して「もっと良い人がいるかも」と迷っている期間、本来出会えたはずの他の候補者との可能性を捨てていることになります。また、年齢の上昇に伴い、マッチングの成立率は統計的に低下する傾向にあります。決断を先送りすることは、単に回答を遅らせるだけでなく、将来の選択肢を自ら狭める行為に他なりません。

キーポイント: 「決断しないこと」もまた一つの決断であり、それには「時間の喪失」という高いコストが伴っていることを認識する必要があります。

具体例: 35歳の男性が、相性の良い女性Aさんとの真剣交際を迷い、3ヶ月間回答を保留にしたケース。その間にAさんは決断力のある別の男性と成婚退会し、男性は再びゼロからお相手探しをすることになりました。結果的に1年以上の活動期間延長と、精神的な疲労を招いています。

成婚に至る人と停滞する人の決定的な行動パターンの違い
スムーズに成婚する人と、長期間活動しても結果が出ない人の差は、容姿や年収などのスペック以上に「決断のスピードと質」にあります。成婚者は不確実性を受け入れ、走りながら考える傾向があります。成婚まですすむ人物は、相手を「減点方式」ではなく「加点方式」で評価し、完璧な条件を求めすぎません。彼らは、結婚生活が共同作業であり、関係性は構築していくものであるという前提を持っています。一方、停滞する人は「失敗したくない」という恐怖心が強く、100%の確証が得られるまで動こうとしません。しかし、他人の本質や将来を100%予測することは不可能です。この「認知の歪み」が、行動を阻害する主な要因となっています。

キーポイント: 完璧な正解を探すのではなく、「選んだ道を正解にする」という覚悟の有無が、成婚者と停滞者の分かれ道となります。

具体例: 結婚相談所のデータ分析において、成婚退会者の平均交際期間（仮交際含む）は約3〜4ヶ月であるのに対し、長期化する会員は、一人当たり半年以上の時間をかけながらも、最終的に「決め手に欠ける」として破談にする傾向が見られます。

「80歳の自分」からの逆算思考による意思決定法
目前的の迷いから抜け出すためには、視点を現在から遠い未来へ移すことが有効です。もし明日、あなたが80歳の誕生日を迎えるとしたら、現在の迷いをどう評価するかをシミュレーションします。Amazonの創業者ジェフ・ベゾスが提唱した「後悔最小化フレームワーク」は、婚活にも応用可能です。「80歳になった自分が人生を振り返ったとき、この挑戦をしなかったことを後悔するか？」と自問することで、短期的な恐怖や迷いよりも、長期的な満足度を優先する判断が可能になります。婚活において「断られることへの恐怖」や「失敗への不安」は、人生全体のタイムラインから見れば些末な事象に過ぎません。一方、「あの時動いていれば家族を持てたかもしれない」という後悔は、晩年に大きな影を落とす可能性があります。

キーポイント: 目先の「失敗のリスク」よりも、人生最期に感じるであろう「行動しなかったことへの後悔」に焦点を当てることで、決断のハードルを下げることができます。

具体例: 「告白して振られるのが怖い」と悩む30代女性が、80歳の自分を想像。「振られた痛みは数ヶ月で癒えるが、誰とも向き合わずに独りで老後を迎えた時の孤独感は取り返しがつかない」と気づき、自分から交際を申し込む行動に出た事例。

「もっと○○しておけば」を回避するための基準設定
未来の自分が満足する結果を得るためには、感情的な迷いを排除し、論理的な基準を持つことが重要です。後悔の種となるのは、多くの場合「やらない理由」を探して行動しなかった事実です。後悔しないための具体的な基準として、「生理的に受け入れられるか」「話し合いができるか」「価値観の許容範囲内か」という3点をクリアしていれば、まずは一歩踏み出すことを推奨します。迷いが生じたときは、「この迷いは相手の問題か、自分の覚悟の問題か」を切り分けて考えます。自分の覚悟の問題であれば、それは成長痛と同じであり、進むべきサインと捉えることができます。過去の自分にアドバイスするなら、「完璧な相手を待つな、関係を築ける相手を選べ」という言葉になるはずです。

キーポイント: 100点満点の相手ではなく「共に問題を解決していける相手」を選ぶことが、長期的には後悔のない選択につながります。

具体例: 年収や身長など細かい条件に固執していた男性が、80歳の視点で「病気になった時にそばにいてほしい人」を基準に再考。条件は多少異なっても、誠実で穏やかな女性との結婚を決断し、穏やかな家庭を築いています。

優柔不断を脱却し、今日から行動を変えるための実践的ステップ
優柔不断の根底にあるのは過度な完璧主義です。しかし、婚活を含む対人関係において完璧は存在しません。まずは合格ラインを下げ、決断の回数を増やすトレーニングが必要です。意思決定の心理学において、選択肢を比較検討しすぎる「マキシマイザー（最大化する人）」よりも、一定の基準を満たせば満足する「サティスファイサー（満足する人）」の方が、結果に対する幸福度が高いことが知られています。婚活においては、相手に求める条件に優先順位をつけ、上位3つが満たされていれば（70点であれば）「GOサイン」を出すというルールを自分に課します。小さな決断を積み重ねることで、決断の筋肉が鍛えられます。

キーポイント: ベスト（最善）を目指して動けなくなるより、ベター（より良い）な選択を迅速に行う方が、婚活の成功率は高まります。

具体例: お見合いの申し込みを迷う際、「写真とプロフィールが完璧でなければ申し込まない」というルールを改め、「生理的に嫌でなく、共通の趣味が1つあれば会う」という70点の基準に変更。結果、会う人数が倍増し、予想外に相性の良い相手と巡り会えたケース。

期限を設定し、強制的に「決める」環境を作る
人は期限がなければ、いつまでも決定を先送りする生き物です。「パーキンソンの法則」が示すように、時間はあればあるだけ費やしてしまいます。優柔不断な婚活者は、自身の意思力に頼るのではなく、環境や仕組みで決断を促すべきです。具体的には、「3回目のデートで真剣交際に進むか決める」「今月中にお見合いを5件組む」といった明確なデッドラインを設定します。また、信頼できる第三者（結婚相談所のカウンセラーや既婚の友人）に期限を宣言し、進捗を報告する環境を作ることも有効です。外部からのプレッシャーを適切に利用することで、優柔不断な自分を律することができます。

キーポイント: 期限のない目標は単なる夢に過ぎません。具体的な日時を設定し、そこから逆算して行動することで、決断せざるを得ない状況を作り出します。

具体例: 交際中の相手との結婚に踏み切れなかった女性が、「次の誕生日までにプロポーズされなければ（または自分が決意できなければ）別れる」と期限を設定。その覚悟を持って相手と将来の話を具体的に進めた結果、双方向き合う覚悟が決まり、期限内に婚約に至りました。

まとめ
婚活において優柔不断であることは、最大の敵である「時間の浪費」に直結します。成婚への鍵は、完璧な条件探しではなく、不確実性を受け入れて前に進む「決断力」にあります。もし明日80歳になるとしたら、今の迷いをどう感じるか想像してみてください。後悔しない未来のために、完璧主義を捨て、期限を設けて具体的な一歩を踏み出しましょう。

＜婚活イベント・セミナー開催のご案内＞
ブログを読むだけでは理解は深まりません。アウトプットし、経験値を高める実践が大事です☆彡
当相談所の婚活イベント・セミナー情報はこちらからご覧いただけます。
https://heartfulconnection.jp/event

＜婚活無料相談のご案内＞
当相談所では、対面・オンラインの方法で随時無料相談を開催しております。
県外の方でもご利用いただけますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
現在の婚活の悩みを一緒に整理しませんか？ご予約・お問い合わせはこちらまで。
https://www.heartfulconnection.jp/17193024758353